マンション投資を考える

メーカーは様々な問屋に商品を供給すると、同じような商品を作っているライバルメーカーとの価格競争に陥る恐れがあり、それを避けるために系列化した問屋を使って価格を守りながら小売店に届ける方式をとっていた。 例えば、KはKしか扱わない問屋を通して小売店に供給された。
同じビールなのにライバルメーカーのAやSなどと一緒にトラックに積まれることはなかった。 こうした商品の流れは、消費者の買いたい商品よりも、メーカーが売りたい商品が店頭に並ぶ結果を招いた。
SはS旗揚げ時にY堂の取引先などを集めて、Sとの取引を要請した。 「我々はそれなりの勝算があってSを始めますが、絶対に大丈夫だと皆様に具体的に示す材料はありません。
我々もリスクを負い、新しいビジネスを育てていきますが、皆様方もこのビジネスに先行投資をしてよいと、社内的に合意を得られるならば、ご協力をお願いしたい」。 Sの意気込みはわかるが、まだ、生まれたばかりで数店舗しかない「S」だけのために、新しい物流インフラを構築しようとするところは少なく、SやIらは取引先を回り続けた。
まずは、商品を小分けして各店舗に配送することを取引先に要請した。 段ボール単位で仕入れた商品が人気商品でたくさん売れたらまだいいが、途中で売れ行きが落ちると不良在庫となり損失が出てしまう。
ただ問屋の段階では段ボールを崩して小分けする作業はやっておらず問屋に負担がかかるが、小分けにしないと1号店のように家までも商品で埋もれてしまう。 店にトラックが到着する時間もあらかじめ決められていたが、あまり守られなかった。

一度に数台のトラックが店の前に止まり店の出入り口をふさいでしまい、客が入れない事態も生じていた。 売り場への陳列やバックヤード(店内倉庫)などに商品を運ぶので手いっぱいとなり、レジでお客さんを待たせてしまうこともあった。
配送トラックの運転手は店に向かうルートを自分で考えるのが普通で、同じトラックで同じ商品を運んでいても店にトラックが到着する時間はパラパラ。 トラックの店着時間を決めてそれを守ってもらうことも必要だった。
最も重要なことは欠品、品切れの問題だった。 加盟店主が注文をした商品がちゃんと店に入っていないことが日常的に起こっていた。
「S」という約百平方メートルの小さな売り場でわずかでも欠品、品切れがあったら、売り上げと利益の両方を逃していることになる。 いろいろな問題について原因を解きほぐし、解決していかなくてはならなかった。
トラックは店にいつ来るのかわからない。

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